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コンセプチュアルスキルとは?|仕事で役立つ具体例や高め方を解説

コンセプチュアルスキルとは

コンセプチュアルスキルとは、複雑な状況を整理し、物事の本質や関係性を捉えて、判断につなげる力です。日本語では「概念化能力」とも呼ばれます。
目の前で起きていることをそのまま受け取るのではなく、複数の情報や条件のつながりから、「何が問題なのか」「何を優先するのか」を考えます。
カッツモデルにおける位置づけ
コンセプチュアルスキルは、経営学者R.L.カッツが示した「カッツモデル」において、管理者に求められる3つのスキルの一つとして位置づけられています。
カッツモデルでは、管理者に求められる能力を「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つに分け、管理階層によって求められる比重が異なると考えます。
| スキル | どのような力か | 比重が高まりやすい層 |
| テクニカルスキル | 業務に必要な知識や技術を使って仕事を進める力 | 現場に近い管理職 |
| ヒューマンスキル | 周囲とすり合わせながら、協力して仕事を進める力 | すべての管理階層 |
| コンセプチュアルスキル | 状況を整理し、課題や優先順位を考えて方針を決める力 | 上位の管理職ほど比重が高まる |
現場に近い管理職では、担当する業務に関する知識や技術が重要になります。
一方、管理する範囲が広がるほど、個別の業務だけでなく、組織全体の状況や複数の関係者とのつながりを捉えて判断する必要があるため、コンセプチュアルスキルの比重が高まります。これに対して、ヒューマンスキルは、どの管理階層でも必要とされます。
カッツモデルは管理者を対象にした考え方ですが、一般社員であっても、複数の人や部署と関わる仕事や、限られた条件の中で優先順位を決める場面では、状況を整理して考える力が必要になります。
>>>ヒューマンスキルについては、「社員のヒューマンスキルをどう育てる?|意味と高め方を解説」で詳しく紹介しています。
コンセプチュアルスキルが役立つ場面
仕事では、すぐに答えを出せないことや、一つの情報だけでは判断できないことがあります。そのような場面で状況を整理して考える際に、コンセプチュアルスキルが役立ちます。
優先順位を決める
優先順位を決めるときは、期限だけでなく、業務の目的や周囲への影響、前後の仕事との関係も踏まえて考えます。
例えば、明日までに仕上げる資料作成と、期限は数日先でも、他の人が次の作業に進むために必要な確認業務が重なったとします。期限だけを見れば資料作成を優先したくなりますが、確認業務を後回しにすると、他の人の仕事まで止まってしまうかもしれません。
このように、期限だけで判断するのではなく、ほかの人の仕事への影響や前後の関係まで見ながら、何を優先するのかを考えることが必要です。
問題の原因を突き止める
問題の原因を突き止めるときは、目に見えている結果や最初に思いついた原因だけで決めつけず、背景や関連する要因まで確認します。
例えば、顧客満足度が下がった場合、「接客に問題がある」と十分に確認しないまま対策を決めてしまうと、原因を取り違えることがあります。
なぜなら、接客以外にも商品の品質や問い合わせへの対応、説明内容、価格などが影響している可能性もあるからです。
複数の事例から共通する課題を見つける
例えば、顧客から「操作方法が分かりにくい」「問い合わせ先が分からない」といった声が寄せられているとします。
一見、別々の問題に見えますが、よく見ると、どちらにも「必要な情報にたどり着きにくい」という共通点が見えてきます。
そこで、それぞれの声に個別に対応するだけでなく、なぜ同じような問題が起きているのかという視点で考えます。
そうすると、操作方法や問い合わせ先だけの問題ではなく、「案内の仕方そのものに問題があるのではないか」と考えることができます。
複数の事例を見比べ、共通する点を探ることで、個別の対応だけでは気づきにくい問題を見つける手がかりになります。
コンセプチュアルスキルを高める方法
コンセプチュアルスキルを高めるには、物事をどのように捉え、何を基準に考えるのかを意識することが大切です。こうした考え方を繰り返すことで、複雑な状況でも物事の関係を捉えながら判断する力を養うことができます。
ここでは、日常で実践できる4つの方法を紹介します。
目的や前提を確認する
施策を検討する場合は、まず目的や前提を明確にすることが必要です。
具体的な内容を詰める前に、「何のために行うのか」「誰を対象とするのか」「どのような状態になれば成功といえるのか」「人員・時間・予算などにどのような制約があるのか」を確認しておきます。
目的や前提を明確にしておけば、方向性を見失ったときにも、立ち返って軌道修正しやすくなります。
視点を変えて考える

物事を1つの見方だけで捉えず、時間や立場、周囲への影響、全体の流れなど、視点を変えて考えることも大切です。具体的には、次の4つの視点から考えます。
- 先のことまで考える:今の状況だけでなく、時間が経った時にどう変わるのかを考える
- 周囲への影響を考える:自分の判断や行動が、周囲の人や業務にどのような影響を与えるのかを考える
- 立場を変えて考える:利用者、現場、管理側など、立場によって見え方がどう変わるのかを考える
- 全体の流れで考える:ある部分だけを見るのではなく、前後の流れまで含めて全体の状況を捉える
具体と抽象を行き来する

「木を見て森を見ず」という言葉があるように、個別の事実や出来事だけを見ていると、全体のつながりや共通する特徴を見落とすことがあります。
一方で、全体だけを見ていても、実際にどこで何が起きているのかまでは分かりません。
具体と抽象を行き来する感覚もこれと似ています。具体的な事実や状況を確認しながら、一段抽象度を上げ、共通点や構造を捉えます。
そして、必要に応じて再び具体に戻り、実際の事実や行動と照らし合わせます。
どちらか一方だけを見るのではなく、具体と抽象を行き来しながら、物事を考えることが重要です。
過程を振り返る
振り返る時は、結果だけでなく「何を目指し」「どのように考え」「どのような判断をしたのか」といったことについてまで振り返ります。
結果だけを見ても、どこに問題があったのか、何を見落としていたのかまでは分からないからです。
例えば、実施した施策が思うような成果につながらなかった場合、次のような点を確認します。
- その施策で何を目指していたのか
- どのような情報や条件をもとに判断したのか
- 見落としていた情報や別の見方はなかったか
- 同じような状況になったとき、次はどのように判断するか
こうした過程を振り返ることで、自分が見落としやすい情報や、考え方の偏りに気づくことができます。
まとめ
コンセプチュアルスキルとは、複雑な状況を整理し、物事の本質や関係性を捉えて判断につなげる力です。
コンセプチュアルスキルは、優先順位を決めるときや、問題の原因を突き止めるとき、複数の事例から共通する課題を見つけるときなどに役立ちます。
また、コンセプチュアルスキルを高めるには、「目的や前提を確認する」「視点を変えて考える」「具体と抽象を行き来する」「過程を振り返る」といったことを、普段から意識して繰り返すことが重要です。
普段の仕事の中で判断に迷ったときは、「今見えていることだけで決めていないか」「別の見方はできないか」と自分に問いかけてみてはいかがでしょうか。

ステッド編集部 人材育成コンテンツ担当:榎本
人材育成や組織づくりに関する情報を発信しています。企業の教育施策や学習環境づくりに役立つ情報を、現場目線で分かりやすくお届けします。

